恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



「……よくこんなときに兄貴の名前なんて出せるね。好きでも何でもないくせに」

「……雪くん……っ」

「君の口から他の男の名前が出るたびに、俺はそいつを殺したいって思ってた。……今でもそれは変わらない。いやむしろ、今だからこそなおさら……か?」


汗ばんだ髪をかき上げ、雪也は少し笑う。

大人の男の色気に満ちたその姿に、思わず目を奪われる。

雪也が動くたびに、爽やかな香水の香りが花澄を酔わせていく。

繋がった部分から零れる卑猥な水音が、二人の行為をさらに過激なものに変えていく。


「……もっ、もう……ぁ、あぁぁっ」

「ほら、言って。……兄貴とは別れて、俺と結婚するって。俺を『選ぶ』って」

「そっ、そんな……あぁっ!」


敏感な部分をこすられ、抉られて、体の奥がビクビクと震える。

この世のものとも思えない凄まじい快楽が、容赦なく花澄を追い詰めていく。

……いくら果てても、尽きることのない欲望。

体を繋げたあの時から、二人は互いにあることを感じ取っていた。


────恐らく体の相性がいいとは、こういうことを言うのだろう。

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