恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



賢吾は腕を組み、何やら呟くように言う。

首を傾げる花澄に、賢吾はにこりと笑った。


「……あぁ、ごめん。こっちのハナシ」

「……?」

「さて、せっかくうちのブースに来てくれたことだし。うちの商品について説明するよ? この透析用フィルターはね……」


賢吾は花澄と宮澤を展示スペースの方へと案内し、説明を始める。

……先ほどの賢吾の言葉が少し気になるが……。

花澄は賢吾に次々と渡されるパンフを確認しながら、賢吾の説明に耳を傾けた。


< 76 / 334 >

この作品をシェア

pagetop