ただ、逢いたい
「アイツ、今、風華に気付いたみたいに挨拶してきたけど、風華が入って来る時に後ろにいたし」
「え?
その時は、気付かなかったとか?」
「違う。
普通に、風華を見ていた。
だから、アタシも気になって覚えていた」
彩菜の勘違いじゃ……。
イヤ、彩菜だもん。
気のせいでも、勘違いでもないだろう。
だけど、何でなのだろう。
最初見つけといて、あとで話しかけるとか、意味が分からない。
「アイツじゃないよね?
風華に告ったの」
何を思ったのか、彩菜はそう聞いてきた。