ただ、逢いたい
「さてと、本題に入ってもいいかな」
姿勢を正して、真剣な表情になった。
それを見て、あたしも姿勢を正した。
そして、こくりと頷く。
もう逃げることは許されない。
これでようやく、あたしは真実を知るんだ。
「えっと、どこから話せばいいのかな」
うーんと、首を傾げながら考えている。
聞きたいことは、たくさんあった。
だけど、最初から口を挟むのも気が引ける。
今は、勇人くんに任せることにした。
「最初から、順番に話そうか。
全てを知ってもらいたいから」
そう、にこっと笑って言った。