ただ、逢いたい



違うと何度も心の中で叫んだ。


だけど、惚気を聞くたびに現実だと痛感するしかなかった。



大切な人から他の子との惚気を聞くなんて、耐えられなかった。



だから、自分から「サヨナラ」を告げた。



イヤ、告げた訳じゃない。


あたしは、勝手に彼の目の前から消えたんだ。






その後、本当に何もなくなった。



自分から消えたのだから当たり前だけど、あっさりしたものだった。



彼にとってのあたしは、本当にちっぽけな存在だったのだと、泣けてきた。




結局あたしは、1人芝居をしていただけなのかもしれない。



幸せだった日々は全て、あたしの妄想だったのかもしれない。




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