スリル【TABOO】
 あ、メール来てる。

「ずいぶん楽しそうだな」
 突然、耳元で囁かれ、ギョッとして飛び上がった。

 慌てて振り返ると、真後ろの席に若い男の人が座って、上半身を捻るようにしてこっちを向いていた。

 ……京介。

「なんで、いるの」
「なんでだろうな」
 面白がるように笑って、京介は背中を向けた。

 カチャと音を立て、コーヒーカップを持ち上げ、一口飲んでいる。

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