大嫌いなバレンタイン





「まだ寒い?」


「……大丈夫」




しばらくして、だいぶ暖まった車内にホッと一息ついた。


隣の雪乃も、慣れた手つきでネクタイを緩めてこっちを見る。




「で、どうしたわけ?」




その顔は、ちょっとだけ怒ってるようにも見えて。



なんか、色々込み上げてきたものが溢れだしそうになるのをグッと我慢する。





「別に、会いに来ただけ」


「わざわざ電車乗って?」


「それ以外にないじゃん」


「連絡してくれたら、俺が会いに行くのに。車だってあるんだし」


「…………」


「黙るなよ」







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