君の左手が気になるのは、なぜだろう?
自分がわけわからない。
とにかく帰ろうと思って、
「じゃ」と告げて去ろうとした。


「帰るのか!?」


驚いたようにアイツが言った。
それに私が驚いた。


「何?どうしたの?」


「いや、その…」と
口ごもるアイツ。
まるで、引き止めた理由を
自分でも探しているみたいだった。


そして、言った。

「日曜日に、試合があるんだ」
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