出てるよ。
私は、


手鏡で自分の鼻の穴の様子を見た。




蛍光灯に照らされるように


アゴを上げ、


隅々まで確認をした。




鼻の穴の横まで見たところ、


まだまだ鼻毛は元気に棲息していた。




私は


鼻毛に負けてしまうのだろうか。




ハサミと手鏡を手から離し、


仰向けになり、


ただ上を見上げ、


無心になった。




床に置いた手鏡からは、


私の鼻の穴から覗く鼻毛が


とてつもない存在感を放っていた。




-続く-

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