晴れのち雨


ベットの上でただ抱きしめ合った。


先生、家族はどうしたの?

訊きたかったけれど、先生に悲しい思いをさせたくなくて言えなかった。


先生の胸の中で目を閉じる。

煙草の香りが目に染みた。


クリスマスを迎えたけれど、サンタは新しい恋を持ってきそうになかった。

それはきっと、私が悪い子だったから。



「先生?」

先生が起きているか確認した。

「ん?どうしたん?」

返事が返ってきた。


「私...先生と初めて出逢った時、先生の背中を見て何故か悲しく感じたんです。」

うん。と相槌を打ってくれる先生。


「それから先生を好きになって、嬉しい時よりも苦しくなったり悲しくなったりする時の方が多かった。
けれど、嫌じゃなかったんです。」

「恋って気づかないうちに落ちるものなんだって、初めて知りました」


「そうやな。」

目を閉じていたけれど、先生が私を見ているのが分かった。
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