晴れのち雨

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塾に通い始めてから二週間が経った。


私は塾の自習室に来ていた。
目の前には保坂先生。
自習室には私達以外、誰もいない。

英語が苦手な私は二週間分の補習を
マンツーマンで受けていた。


一通り復習をして小テストを受けた。
目の前で採点されてドキドキする。

「ふぅ...」
先生が息をついて私の顔を見ると


「合格。」

と笑っていた。

「よ、良かった〜!!」

安心する私に

「アオちゃんは飲込み早いし
頑張ったら英語なんかどうにかなるで」

と言ってくれたので、

「ありがとうございました。
頑張ります。」

と、素直に言った。

片手に教材を持って椅子から立つと

「でもまぁ、アオちゃん見た目は英語出来なさそうやんなぁ...」

と、私を見ていう先生に
疑問を持っていると

「純日本美人!!
って感じしてるもんなぁ....」

目を細めて先生をジッと見る。

「あ!今、このオッサン適当なこと言うてるなーって思ったやろ!?」

コクリと頷く私。

「ホンマやで!!悠希が黒髪美人が入ってきたって嬉しがってたで」

「ユウキ??」

聞き返した私に

「あー、あれや。 剛田先生。」

剛田と言われて悠ちゃんか...
と、分かった私は無意識に
「受付嬢...」と呟いていた。

ブホッと上から音がしたので
先生を見ると片手で口を押さえている。

笑ってる...??

「ちょっ...受付嬢は無いやろ?!
アカン。ツボった!!」

爆笑している先生。

「悠ちゃんにチクろっと♪」

受付に向かって歩き出した私の腕を掴んで

「待って待って!これあげるから!!」

と私の手のひらに苺飴を乗せた。










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