晴れのち雨

awareness



季節は冬を過ぎ桜が咲く頃になった。

...もうすぐ私は18歳になる。


本格的に受験生になったけれど
毎日が充実している。

「このリア充め!!」

そんな憎まれ口を叩くのは結衣だ。
放課後、彼女と窓から桜を見ていた。

「誕生日に秀斗さんと
イチャつく予定でもできたの?」

桜を見て微笑む私の頬に
彼女はブスブスとポッキーを刺す。


「誕生日じゃなくて、誕生日の前日。」

「うざっ!
どっちにしてもイチャついてるし!!」

彼女がこんなに刺々しいのは
先日彼氏と別れたからだ。

「でも、どうして前日なの?
当日なら土曜日でゆっくりできるのに」

「 L I V E ♡ 」

「うわっ!
リア充のくせに彼氏より芸能人かっ!」

「いやいや、仕方ないじゃん。
Hy様が私を呼ぶんだもん。」

私は【raruku】と言うバンドのボーカルHy様を敬愛している。

「秀斗さん泣くよ??」

「大丈夫!! 理解のある彼氏だから。
それにシュウが一番だし。」

「メンクイのくせに...」

そう呟くと彼女は教室を出た。
< 31 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop