晴れのち雨

次の朝。
天気予報を確認する。
晴れのち曇り、ライブは大丈夫だろう。

続いて占い。
....見なかったことにしよう。
12位だって大丈夫!!
だってHy様に会えるのだから!!


鏡の前で自分を見る。
うん。上手く髪が巻けた。
耳には結衣から貰ったピアスを着けた。



ライブ会場に着くと沢山の人がいた。
自分の席はステージ横の一番前。
"やった"と心の中でガッツポーズ。



しばらくすると
周りが暗くなりステージが輝くと
一気に静まる会場にギター音だけが響く。
メンバーの登場に観客が席を立ち歓声に包まれた。

ゾクゾクした。
勿体無くて少しも目が離せない。

一曲目が終わり、自分の隣の席が空いていることに気づく。

そして二曲目が始まった。
アップテンポな曲のリズムに合わせてみんなで手をあげる。
途中で隣の人が「すみません」
と入ってきた。
横目で見た感じ会社帰りの男性ようだ。


五曲目が終わり休憩に入る。
「いや〜最高ですね〜」
と隣の男性が話しかけてきた。

"本当に最高ですね!!"
と言おうとして固まった。

「先生?!」
驚いて思わず後ずさる。

「って、ええ?!アオちゃん?!」
保坂先生がいた。

「なんで先生がいらっしゃるんですか?」

「ファンやからに決まってるやん!
世代で言ったら俺らの世代やで?」

「世代なんて関係ないです。」

そこは真面目に答えた私。

「おっ!ええ事いうなぁ〜」

「俺が学生の頃はバンド組んでよう演奏してたわ〜 聴いてくれるんは身内だけやったけどな。」

彼はそう言って笑う。

「バンド組んでたんですか?」

「うん。髪の毛、赤に染めてな」

赤...今の雰囲気からは想像出来ない。

そんな話をしているとキャーと言う声がしてHy様のMCが始まる。












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