桜が咲いたら
「近いうち陽にメールするけど、

CD借りっ放しでわりぃって、

謝っといて」






そう言い残して席を立った先輩の後ろ姿をあたしは黙って見つめていたけれど、

友達とふざけ合いながら教室を後にする武蔵先輩は、

そのまま一度もあたしを振り返らなかった。










「やったじゃん更紗!!!

話できて!!!」







「う、うん」






驚いて、思考がまだ追いつかない。

今この身に起こった素敵な出来事を、あたしの慣れない心はうまく処理出来ていない。


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