大人の関係
本当のお姫様
奈津の家まで行くと、駐車場で奈津は待っていた。

「迷わなかった?」
「すんなり来れましたよ」
「私運転するわよ。お買い物にも行きたいし」

「じゃあ、お願いします」
運転席から降り、助手席に乗った。

ドライブ中、楽しいおしゃべりが止まらない。
奈津は危なくない程度にハイテンションで話し続ける。


そして、奈津の運転は、とても上手だった。
発進、停止がスムーズで、同じ車のはずなのに長野の横に座っていた時より緊張して座っていた部分を差し引いても居心地がいい。



「マサくん、運転下手だったでしょ」
普通に会話していたのに、奈津は急にそう言いだした。

ビックリして、奈津の顔をまじまじと見る。
「あはっ。なんで?って思った?」
「はい。奈津さん運転上手いなー、この車こんなに乗り心地いいんだーって思った瞬間言うから!」

二人で大笑い。

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