綿菓子と唐辛子
ヒメの身体が、こんなに熱いものだってことを、初めて知った。
「っは…」
「…っ、ナツ…」
ある程度時間が経ってしまえば、もう、恥じらってる場合ではなくなってしまって。
大切にしたいという気持ちはどっしりと居座ってはいるものの、それよりも先に、ヒメに対する欲が、先走って。
それをせき止めるように、ヒメの甘いくちびるを食む。
「ナツ…ナツ…っ」
「…は、ヒメ………」
迫ってくる甘い波に、思わず顔をしかめてしまう。
そのくらい、ヒメと触れ合っていることは、しあわせで、とけそうなくらい甘くて、そして、少しだけ苦しかった。
…こんなに、自分が溺れてしまうなんて、思わなかった。
「…ナツ、だいすき」
「…ん、俺も…」
大切にしたい。優しくしたい。
もっと、俺を感じて欲しい。
俺の腕の中で、幸せになってほしい。
「………ナツ…っ」
右目から流れていく、ヒメの涙を見て思った。
…今、ヒメはきっと、幸せでいてくれていると。
ヒメは、だんだんと汗ばんでいく俺の身体を必死に繋ぎ止めて。
ずっと、俺の名前を呼んでいた。
「…愛してる、ヒメ」
これからも、ずっと、俺の腕の中で、しあわせになってほしい。