プラチナブルーの夏
20.
「変なの」
 
カナの言葉ではないけれど、あたしは確かに日常、滅多に笑うことがない。
 
バイト先での接客中や、店長と奥さんと話している時くらいだ。
 
しかも今日は母親のおかげで最低な気分だった。

それなのに笑っている自分が、おかしくてまた笑った。
 
不審そうにこちらを見ている通行人などお構いなしに、あたしはクスクス一

人で笑い続けた。

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