アドラーキャット










「ゴリラってさー、」

「んー?」

「どうやって意思疎通してるんだろうね。」


「……ウホウホ言ってるじゃん。きっとあれ」

「あー、確かにウホウホ言ってるね……」

「……」



「……私と荻野目くんはさー、人間じゃん」

「ホモサピエンス…」

「そう、ホモサピエンスで人間だけどさ、ウとホの二音だけで会話出来ないんだよね」

「そうだね。」



「ゴリラに出来ることが私たちに出来ないっておかしくない?」

「……ん?」


「ちょっと試しにウホウホしてみようか」

「ん、ん?え、みずきどっからそんな話になったの?」

「ウホ。」

「しかももう始まってる……!」

「ウホホ。」

「え、みずき、本気?」

「ウホキ、あ、ミスった。」

「無理だよ二音で意思疎通とか」

「こう、ハートで伝えるんだよ。レッツウホウホ!」



「……ウホ」

「ウホウホ」



「………ウウホ」

「ウッホー」




「………無理だね」

「やっぱ無理かー」





「みずき先輩と荻野目はさっきから何してんですか。」



この二人けっこう似てるよなぁ、と祐介は心の中で思ったり思わなかったり。



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