子猫と珈琲




自分の部屋には何も無い。家具は今日の午後あたりに届けられるはずだが、今は午前10時。




まだ時間がある。







暇つぶしと挨拶がてら、私は隣の一室の前に立った。
3回ノックした後、その部屋に入る。







そこには女の子が想像する‘王子様’そのものがいた。




もちろん服装はガボチャパンツでもなければ王冠を被っているわけではない。



普通の部屋着だ。





顔の作りの話しである。


切れ長のぱっちりとした瞳。鼻筋の通った鼻に形のいい薄い唇。
女の子の理想像をそのままにした人形のような顔。







私は軽く彼に「やあ」と挨拶して、ふかふかの絨毯の上に寝転んだ。





‘王子様’はあたかも迷惑そうに顔を歪めた



私はスルースキルを発動させて、清々しいくらいガン無視してやる。





そして、ガサゴソとコンビニで買っファッションた雑誌とポテチを取り出した。



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