そしてキスからはじまった
「ジュリア?」
後ろから誰かの声がした。
びっくりして振り返るとアランのお母さんが
「やっぱりジュリアちゃんだ」
「お、おばさん」
「リリィにはもう会ったの?」
「…まだ」私は頭を横に振った。
「どうして?」
黙り込む私に
「お母さんはとっても心配してるよ。
早く、笑顔を見せてあげて」
私の腕を掴んで病室に入ってしまった。

お母さんは寝ているようだった
「リリィ?」
おばさんの声に反応して目を開けた。
少し痩せてやつれている。
「いつもゴメンね」
そういいながら体を辛そうに起こした。
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