そしてキスからはじまった
俺は家に着くなりお袋を探した。
「お袋…」
「青?どうして日本にいるの?試験は受かったの?」
そう俺は卒業後の進路に外交官を目指し大学院を受験していた。
「ああ…受かったよ。お袋…あの…桜花に会いに帰ってきたんだけど…どっかに引越ししたの?
ずっと留守「青!お…桜花ちゃんは亡くなったの…」お袋は慌てて俺の言葉をさえぎった。
「えっ…なんて言った?」
お袋は俺に話した。
三年前、俺がアメリカに立つ日、もう会えない気がする桜花は気持ちだけは伝えたいと空港に叔父さんの車に向かっていたそうだ。前日から降り続く大雪のせいで路面は凍り、スリップした対向車に突っ込まれて車は大破。一緒に乗っていた叔父さん、叔母さんは即死したそうだ。
「桜花ちゃんは私とちょうど日本にいたセイと二人で病院に駆けつけた時にはまだ生きてたの。
桜花ちゃんは私達に
青には知らせないで欲しい。
青の未来を邪魔したくないからって。
お前がもし自分が死んだのを知ったら自分の分も生きていつまでも輝いていてほしいって伝えて欲しいって…

・・セイも私も間違ってたと思った。
大切な友達の運命の恋を叶えさせたくて二人に運命を押し付けてたんじゃないかって
…二人の自由にさせてればこんなことにはならなかったんじゃないかって・・
二人で話しあって桜花ちゃんの事は伝えず青のやりたい事をやらせてあげようって」


今更遅かったんだ…俺の愛した桜花はもういない・・

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