そしてキスからはじまった

クリスマスの贈り物

クリスマスパーティは外来の診察が終わった後、プレイルームで行われた。
私も今年が初めてなので例年はどうか知らないけど
「今年は豪華ね。子供達もおお喜びね。日本のおもちゃ、初めて見るわ」
いつの間にか女医さんが来て子供達を見て微笑んでいる。
彼女は私と先生との事を知ってる。それでもこうして優しく話しかけてくれる素敵な人だ
彼女が言うには青さんが昨日、先生に子供達にプレゼントをしたい、食べ物も用意したいが何かダメなものはありますか?と聞いたそうだ。
例年はツリーを飾ってゲームをしたりするそうだ。プレゼントは寄付された古本やおもちゃ…
今年は青さんがフランス語訳された日本の本、絵本にお伽話、フランスでも人気の格闘ものの漫画もある。
部屋で遊べるボードゲーム。日本の折り紙、おはじきもある。
食べ物はケーキにパン、サンドイッチ、フルーツ、クッキーがあるがさすがに油っぽいものはない

このためか夕飯が無かったのは…
幸い、胃腸系の病気の子はいないから
今日ぐらいは特別…ということだろう
それにしてもこんなにたくさんを一日で揃えたんだ。すごいな青さんは…
私は豪華なブレゼントは出来ないけど
これが私の精一杯の気持ち…
私は子供達を呼んで一人一人に色を変えたミサンガをブレゼントした。
一番小さい膝の上のサラの手首に結びながら
「これはミサンガって言ってこうやって結んで願い事をするの
願い事が叶う時に切れるって言われてるの」
青の石をアクセントにしたミサンガを持ったロニーが
「…僕たちの一番の望みは叶わないよ」
ふてくされたようにつぶやく
「大丈夫…叶うと信じて結んで」
にっこり笑ってロニーの頭をなでた
ロニーはミサンガを握り締めて何かをつぶやいた
そして私はロニーの手首に結んだ

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