そしてキスからはじまった
次の日・・孝に頷いて良かったのかとまだ悩む私がいた。

そんな悩みは無用だったと早速分からされた。

リハーサルの前にボスは従業員みんなを集めた。

「ジュリアだが・・
あの事件以来体調が悪くてダンサーとしてはやっていけなくなった
かといって契約があって働いてもらわないといけない
ちょうど私の家の住み込みのメイドがやめて困っていたので
ジュリアにはその代わりをやってもらおうと思っている・・
急は話だがみんなと暮らしていた寮を二、三日中には出ていくことになるから
よろしく頼むよ。」

ボスはそう言って事務所にいった

みんなが私の方に寄ってきて

「どういうこと?」と

私はステージで踊ること、お客さんがこわい

体調も悪い・・一緒に働けなくなってごめんなさいと

孝と暮らすことは言わなかった。同棲することが契約の代わりになるなんて

みんなには言えない・・特別扱いだときっと思われる・・

ボスもそう思ったんだろう。

元気でねと言ってくれた。

みんな私の様子を見て、ダンサーとしては無理だと思っていたんだろう。

私の紫音への気持ちを知っているサラは何か言いたそうだったけど

・・紫音・・まだ好き・・

でももう後戻りはできない・・

ボスの言うとおりもうダンサーとしてダメな私は孝のもとに行くしかないんだ

契約が切れるまで一年半・・孝と暮らそう

孝のことは今は弟のようにしか思えないけど

もしかしたら好きになれるかもしれない・・

そのあとの未来は私の自由だ

そんな風に考えて気持ちを軽くした



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