そしてキスからはじまった
そして紫音に会えないまま半年がたった

私は満開の桜の木の下にいる。

父はフランスの墓地に埋めた。

でも父の実家があるこの街のこの場所に父のものをなにか埋めたいと思った。

この場所は父が好きな場所・・何度も聞かされていた

本当はいけないことだけど断られるのが怖い私は無断で父のメガネを透明なケースに入れて埋めた。

そう、この桜の木の下

日本に来てすぐボスに頼んで連れてきてもらった。

小高い丘の上の教会は
今、桜の花が満開で美しい。
向こうには墓地もある

一年ぶりだ。

初めてこの場所に来た時何故か懐かしく悲しい気持ちになった。



今、満開の桜を見ていると胸が苦しくなった

私は花を一輪だけ桜の木の下に置いた


桜の木を見上げる私の服の袖を誰かが引っ張った


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