依存症なあたし様



今日は嬉しいことに土曜日。


ぐっすり寝よう!


なんてものは綺麗さっぱり見事に打ち砕かれた。


あまーい雰囲気なんてものはないのに。


ただ寝るだけなのに。


それすらもできないなんて……


何となく悔しい気持ちになって、気持ちよさそうに寝てる先輩の鼻をつまんでやった。


『……ん゙ー…』


顔をしかめはしたが、起きる気配なし。


警戒心というものは先輩の脳みそにはないんですか…まあ襲う気は毛頭ないけど……。


そのまましばらく鼻をつまんでると、先輩はむくっと起き上がり、まだ眠そうな目を擦りながら小さな声で『…槇?』と呟いた。


まき……?


『……槇っ……?』


先輩は意識がはっきりしていないのか、不安そうな声で、表情で、ここにはいない槇さんの姿を探している。


昨日『…ま…』って呼びかけたのは、もしかして槇さんって人のこと?



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