依存症なあたし様



あ、もしかして俺のために買ってきてくれた……とか?


そう思いたい。


でも、明らかに新品じゃなかった。


胸の奥のざわつきは、止まない。


「……とっ隣の部屋は……?」


混乱したままその隣の部屋のドアを開けた。


そこには、何もなかった。


窓だけ。


何で……あの部屋にベッドが……?


『――何してんの』


背後から冷たく無機質な声。


その声に思わず肩がビクッとした。


なんというタイミングの悪さ……


遅くなるんじゃなかったの?


ゆっくり後ろを振り向くと、そこには無表情で仁王立ちしている先輩がいた。


先輩のこの表情は……嫌いだ。


無表情なのに、なぜかどこか悲しそうで。


瞳が悲しそうに揺れてるんだ。


「……――俺、先輩に聞きたいことがある」


気づけばそう口にしていた。



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