依存症なあたし様
『あ?何だよ?』
「何だよ?じゃないですよ!何で槇さんはいきなりいなくなったんですか?!
いきなりいなくなったら、またいきなり現れて!綾がどんな気持ちだったかわかりますか?!」
気づいたら叫んでいた。
――やめろ。
「綾の気持ちも知らないで!
よく平然としてここに来れますね!!」
――俺が首を突っ込むことじゃない。
『柚ー?何叫んで……――』
あぁ、本当に綾はタイミングが悪い。
玄関に来た綾を見ると、目をこれでもかってくらいに見開いていた。
そして弱々しく『……槇』と呟いた。
『……久しぶりだな。』
槇さんは俺から視線を外し、ゆっくりと綾の方を見た。
綾は……静かに泣いていた。