恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
口々に、煌くんのことを褒め出す、クラスの女子達。
たしかに、煌くんは優しい。
それってやっぱり………
ううん、違う。
そんなことない。
煌くんは、そんな人じゃない。
頭に浮かんだ考えを打ち消した。
「あ、チャイム。
ありがとう、獅子戸さん。
また、話し聞かせてね!」
チャイムが鳴り、女子達はわたしから離れて各自の席に戻って行った。
わたしもそれに見習い、席に着いた。
「お疲れ、愛依」
「まりーん!」
わたしは麻凛の名前を叫んだ。
「なんで……あんなに……
朝は全然だったのに………」
「それは、ただの親戚ってだけで、仲良いとは限らないからでしょ?」