恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「あら、早かったわね」
ハッとして、声がした方を見た。
「あなたは…………」
視線を向けた先には、見覚えのある顔があった。
「知ってる?わたしのこと」
「鬼翠の………女の子達の副リーダー……」
鬼翠のことは、ある程度聞いたからわかる。
幹部の下には、細かいグループがあって、その中に女の子達のグループがある。
この人は、そこの副リーダーだ。
同じ学校だったんだ。
「翠姫に知っててもらえるなんて、光栄ね」
と、嫌みっぽく言って、わたしに近づく。
「なんで、わたしをここに?」
「そんなこと決まってるじゃない。
…………目障りだからよ!」
パシンッと頬を叩く音が響いた。
左頬が、痛い………