クールな王子は蜜の味
5.本当の彼女になったのに・・・
「チワワ、歩くの遅い」

相変わらずクールな表情で、

私にその言葉を言い放ったのは、

私の大好きな彼氏、三浦智也。

・・・

「あ~!またチワワって言った」

半泣きの顔で、

智也を見た私。

・・・

そんな私を見た智也は、

恥ずかしさを紛らわす為に、

そっぽを向いて、

・・・

「チワワでいいだよ。

下の名前で呼ぶのは、恥ずかしい・・・」


「・・・え?」

キョトンとする私に、

智也は無表情に戻って、

「ほら、行くぞ?遅刻する」

そう言って手を握ると、

早足で歩き出した。

・・・恥ずかしい?

私はちっとも恥ずかしくないのに。

ってか、呼んでください。

『寧々』って。
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