クールな王子は蜜の味
7.私の王子様は貴方だけ
その日の夜は、

智也が家に泊まってくれた。


「・・・先輩。

嬉しいけど、やっぱり、

家に帰って勉強した方が

いいんじゃないですか?」


「大丈夫だよ。

試験まで後少ししかない。

今まで頑張ってきたし、

それに、今更足掻いても、

何も変わらない・・・

それより、寧々の傍にいる方が、

ずっといい」



そう言って微笑んだ智也は、

私をギュッと抱きしめた。


「・・・ただ」

抱きしめたまま、智也が呟いた。


「・・・なんですか?」

そっと顔を上げて、智也を見つめる。

そんな私を見て、

智也は困ったように笑った。
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