アカイ花†Vermilion Flower

「そうでしょうねぇ

 私だって分かってるの

 だから、男よりも私は確実に
 手に入れたい物があるのよ
 
 その為には
 今は仕事に燃えてるの」

「手に入れたい物って
 前に話してた、マンション?

 アンタ、本気なの?」

「うん、そう、本気も本気

 大真面目!」


飲むペースが異様に早くなった芙美子は、テーブルに飲み終えた空缶を音を立てて置いた。


「バカ、そんなもの買って
 どうしようって言うのよ

 イラなくなってもローンが残って
 ローン地獄で苦しんでも知らないよ」

「そうなったら、人に貸し出すもん
  
 都心のマンションだよ
 誰か借りてくれるでしょう」

「アンタの考えは確かに現実的だけど
 もう少し先でもいいんじゃないの

 貯金するよりも、可愛い服でも
 買ってさ、着飾って恋しなさい

 会社に、いい男いないの?
 
 ・・・」
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