アカイ花†Vermilion Flower
お見合いの席に現れたのは、落ち着いた雰囲気の礼儀正しいジェントルマン、紳士だった。
それにとっても品格があって洗練されている。
私達の為に用意されていた場所は和食処で、別れた彼の働く洋食レストランではなかった事だけでも助かった。
「・・・そうですか、それは興味深い
私もホテル業に携わる身
何事も勉強だと思っていますよ」
男性は、これまで日本はもちろん他国でのフロント業務にも携わり、祖父が経営している今のホテルのフロントマネージャーとして勤務した後は、セールス&マーケティング部長に就任して営業企画、広報に力を注いでいる。
「・・・
皆様に気軽にご利用頂けますように
毎日PR販売に精進していますよ」
私は、憧れの部署についてバリバリと仕事をこなしている彼の話を夢中になって聞きながら、そんな彼の事をいつの間にか羨望の眼差しで見つめていた。
「あの~
お仕事のお話はそのぐらいで・・・」