アカイ花†Vermilion Flower

「いずるさんはいい青年ですよ

 アッちゃんの話だと音楽に美術
 たぐい稀な才能が、彼にはある
 みたいだし、画家の方では一目
 置かれているとか・・・

 それにしても、うちの子達は
 芸術家肌の先生が好きね♪」


葉巻の煙草を銜えながら器用に話す、祖父。


「特に、リコ
 お前は、先生が本当に好きだな

 また、生徒に取られるんじゃないのか?」


ちょっと・・・

別に取られてないんですけど!


「アッちゃんは取られたんじゃないよ
 
 レイと彼が付き合ったのは私と別れて
 からの話だってこと、おじいちゃんも
 知ってるでしょう

 それにレイは、彼の教え子じゃない」


「同じ学校内に居れば、どの学生も
 教えた教えないに問わず
 全て同じだろう」

「そんな・・・」


ゴッホン・・・大きく咳払いをひとつした祖父は話を続けた。


「ムキにならんでもよろしい

 お前が幸せなら私は構わない

 濱野君も今回の件を問題視などしていない
 縁がなかったと割り切ってくれている

 だか、男という生き物は、どうせなら
 若い方を好む

 女学園の先生ともなれば・・・」
< 179 / 218 >

この作品をシェア

pagetop