アカイ花†Vermilion Flower

「まだ」

「じゃあ、早くしなさい

 ほらほらっ」


母に叱られて仕方なく家の中に入ろうとしたその時、お隣の方から声が聞こえてきた。


「リコ、レイ

 こんな時間まで何してる?」


策越しに家の中を覗くのは学生服を着た、アッちゃん。

私達は母の元を離れ、一目散にアッちゃんの傍へと走ってゆく。


「アッちゃん

 おかえりなさい」

「アッちゃん

 おかえり」

「おう、リコもレイも

 ただいま」


アッちゃんは私達の頭を交互に、ゴシゴシと撫でてくれた。
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