アカイ花†Vermilion Flower
『ああ、約束だ
その代わり、リコ
おまえはまだ小さい
俺に好きだとか、愛してるだとか
言ってる暇があったら今は
お勉強しなさい
そして、もうひとつ
この俺を束縛するな』
『そくばくって何?』
『愛し過ぎるなってこと
俺はまだ
おまえのものじゃない
早く大きくなれ』
私の髪が乱れるぐらい、浅緋はゴシゴシと私の頭を撫でてニッコリ笑った。
少女の心を揺さぶる貴方は憎らしいくらい可愛らしく、そして、酷い男だった。
貴方を取り巻く女達、『据え膳食わぬは男の恥!』その言葉のとおりに貴方の隣を彩る花は次々に代わる。
それをただ見つめるだけの私は、いつも胸の中にポッカリ穴が開いて、私のものにならない歯痒さをずうっと感じながら生きていた。
それは、今も同じ・・・