女の子なのに女の子が好きになってしまった。
今日から高校生。
新しい制服,新しいローファー
お気に入りの
クマがついた新しい鞄。
そして可愛い 私。
完璧だよね。

いつも通るこの道も
今は歩くのが楽しい。
小学生の時はあんなに悩んでたのに,今は当たり前みたいになって…



――――
「おはよー」
『秋っりーん♪おっはよーん!今日から高校生だよーだよー!』

私の通っている学校は
私学で,エスカレーター式。
私は中学から。
いつも元気に挨拶してくれるこの子は
日下 心 (くさか,こころ)
心は小学校から,この学校に入ってた。
中学での受験は少ないから,外部の私は
除け者にされがちで悩んでた時に,声をかけてくれた。
とてもいい子。
初めての女の子の友達。


『秋りん,外部の子楽しみだねーねー?』
「新しい友達?」
『うんうん。』
「でも,外部の子少ないんでしょ?」
『うちの学校。頭いいのは一部の人だけなのに,中学からの受験は厳しいらしいよね!変なの!』
「心は特にね…」
『心は,ピアニストになるから勉強いらないもん!』
『みんなー席につけ!』

先生のいきなりの大声に

きゃっ!と慌てて席につく心。
可愛いなあ…。


『今日から高校生だね。担任はこの相馬光です。そしてお待ちかねの新しい友達でーす』

『よ…よろしくです…花園美冬…です…』

ぶるぶると震えながら
聞こえるか聞こえないか微妙な大きさで彼女は言った。
お人形みたいで,ちっちゃくて
今にも泣き出しそうな彼女。
見た瞬間
何かが走った気がした。
なんだろう?この感じ?

先生が何か言ってたけど
全然頭に入らないまま
家に帰宅した。
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