嫌い嫌い! 大ッ嫌い! 変わらぬ思い
 その富沢さんが質問して来た。

 後部席に座っている富沢さんは身を乗り出して話しかけて来る。

「ねえ田代君。まーだ敦子に…、思いを寄せているの?」

「ハァ? 俺?」

 俺は一瞬、ドキッと気持ちが高ぶった。

 助手席に座っている志田さんが俺の方に注目すする。

「どーなの? まーだ、あのコに未練が有るのかなぁ?」

 俺の横顔を見つめていた志田さんだけど、何も言わず前の方を向いた。

 どう返答したら良いのか俺は迷った。

 結論はまだまだ出していないのだ。

「まーだ、残っていないって言えば…嘘だけど…」

「もう、敦子の事は諦めた方がイイと思うわよ。田代君の方が思いを寄せていても、あのコの方は120㌫…思っていないんだからね。田代君の事、嫌っているし…、すっごく煙たがっているし」

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