皇帝のサイコロ
最悪な誕生日になった。

同棲をしていた彼女が忽然と消えた。

俺が無職となってから2ヶ月と少し。

度々喧嘩をしていたが、よりによってこんな日に居なくなるとは。

「ふざけんなよ」

着信もメールもない携帯電話を壁に投げつけ、ベッドにうつ伏せになる。

つい2日前にこのベッドでセックスをしたが、もうその日には俺に対して諦めがついていたのかもしれない。

「慎ちゃん、好き」

そう言って俺にしがみついてきたのは、嘘だったのか。

26歳になって数時間でこんな不幸に遇うとは。

この一年は良いことが起こりそうにない。

そんな予感がした。
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