ビタークリーミーホイップベイベ
1.
 ミルクがとんでもないバカだってこと、本人以外はみんな知ってる。

 あの子はいつだって、死ぬ気で恋をしてるから。

 いい意味でじゃないよ、悪い意味で。

 それってかなり美しいじゃん、なんて思っちゃうのは早とちりだ。

 鼻血出して鼻水出して、わんわん泣くような恋ばっかりしてる。

 血の混じった鼻ちょうちんふくらませて泣くヤツなんて、初めて見たよ。



 オトコ食わすために風俗で働いてたし、

 また別の時は一日中すっぴんにエプロンでオトコの世話だけ焼いて生きてたし。

 ああいうのを「恋のドレェ」って言うんだろうな。

 また違うオトコの時には、ボコボコにぶん殴られたりもしてた。

 

 かと思えば極端にミルクを猫可愛がりするようなオトコに

ペットみたいに連れ回されて甘やかされまくり、ゴロゴロウーニャン言って

る時もあった。



 主体性ってもんがないのかよ、ミルク。

 どんなイロにも染まります。アナタ好みのオンナになるわ ってか。

 プライドってもんがないんだよ、ミルク。

 あきれた周りが忠告したって、本人は当然聞く耳なんか持っちゃいない。

 

 「だって幸せなんだもん」

 「だって愛してるんだもん」

 「だってあたしにはあの人だけなんだもん!」
< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop