ビタークリーミーホイップベイベ
4.
「あたしの夢はねぇ、ゼリーちゃん。

 大好きなちょーかっこいいやさしいダーリンと結婚して、

 かぁいい双子の女の子の赤ちゃんを産んで、

 あたしは毎日家中をピカピカに磨いて、

 おいしいお肉をジュウジュウ焼いたり、

 あつあつのスープをトロトロ煮込んだり、

 真っ白でさっぱりでふんわりなお洗濯物を取り込んだりしながら

 暮らすことなの。

 死ぬまでニコニコ、フワフワ、キラキラ、皆で幸せに暮らすことなの。

 ほんと、あたし、そんだけの女なのよ。

 も、ほんっとにそれだけでいーの。ねぇねぇ聞いてる?

 なんでそっち向いてんの?

 ねぇってばゼリーちゃん。も、ほんっとに……」



 「…ていうかなんで勝手にお風呂入ってくるのよ」

 泡風呂にしといて助かったかも。

 「えーだってぇ…一人で入るのさびしいんだもん」

 拗ねながら、ホワホワ、泡で遊ぶミルク。

 足とか鎖骨とか、超キレイでやんの。なんなのよこいつ。

 人の気持ちも知らないでさ。

 

 「……なんかやっぱりあんたってムカつく」

 

 「えええええ?なんでぇ???」



 そりゃあね。結構な将来の夢だけどさ、ミルク。

 そのハッピーを絵に描いたようなファミリーを築くまでの間に、

 あんたは一体どれだけ傷つくつもりなの?

 心も体も立派なキズモノよ、今のあんたは。

 「生きるか死ぬか」みたいなもんが本当の恋愛だなんて思い込んでるうちは、

 そんな夢、叶いっこないよ、ミルク。
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