オレンジ


ほらな、やっぱり。


えーりはあの男が好きで、あの男もえーりが好きで。



えーりは片思いなんて言ってたけど、カンペキ両思いじゃないか。




「よかったじゃん」


「はぁぁぁ?」


「うるせーな。…だから、えーりの好きなやつ、あいつだろ」


「はぁぁぁぁぁ?」



なんで俺の周りは、うるさいのばかりなんだ。




「両思いだから」


「しょーへのばかっ!」



友達が後ろからしがみついてきて、俺の首をしめる。



ばかはどっちだよ!と俺は必死に抵抗する。



「ほんとに鈍感なんだから。ばか~~~」



鈍感。

えーりにも言われた言葉。



首に回った友達の体を離して、俺は新鮮な空気を吸い込む。


それは友達も同じだった。

< 21 / 81 >

この作品をシェア

pagetop