オレンジ
ほらな、やっぱり。
えーりはあの男が好きで、あの男もえーりが好きで。
えーりは片思いなんて言ってたけど、カンペキ両思いじゃないか。
「よかったじゃん」
「はぁぁぁ?」
「うるせーな。…だから、えーりの好きなやつ、あいつだろ」
「はぁぁぁぁぁ?」
なんで俺の周りは、うるさいのばかりなんだ。
「両思いだから」
「しょーへのばかっ!」
友達が後ろからしがみついてきて、俺の首をしめる。
ばかはどっちだよ!と俺は必死に抵抗する。
「ほんとに鈍感なんだから。ばか~~~」
鈍感。
えーりにも言われた言葉。
首に回った友達の体を離して、俺は新鮮な空気を吸い込む。
それは友達も同じだった。