初カレ
電車に揺られて着いたのは、渋谷だった。
あまり来たことがないから人の多さに驚く。
だけど先輩は慣れてるみたいですいすい歩いていく。
あたしは、先輩を見失わないように必死で背中を追いかけた。




「黒と白、どっちがいい?」



最初に行ったのは先輩のお気に入りの洋服屋さんだった。



Tシャツを当てて、あたしにそう聞く先輩。



「うーん…白、かな?」

「まじで!?」

「白の方が先輩に似合ってます」

「じゃ、黒じゃなくて白にしよーっと」

「あ!!!!先輩が黒が良かったなら黒でも別に」

「夏帆ちゃんが白似合うって言ってくれたし」



そう言って黒い方を置くと、先輩はTシャツとそのほか何点かをレジに持って行った。
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