今日も、明日も、明後日も

「……ってわけで」

「へぇ、そんなこともあるものなんだねー」

「うん、私が一番驚いてる」



一通りの話を聞いてもやはり現実的ではないのだろう、由香里はまるでおとぎ話を聞くように目を丸くして笑う。



「にしてもおばあちゃんやるねー、若い男の茶飲み友達なんて。相手いくつ？」

「25。確か勤め先は……グローバルハーツシステム？とかって」

「グローバルハーツシステムって……この辺で今一番伸びてるIT企業じゃん！そこの社員で25？でもってイケメンがプロポーズ？断わる理由ないじゃん！」

「いや、イケメンとは言ってない……」

「え？一部では『あの無愛想の梶原がイケメンに公衆面前プロポーズされて涙を流して抱きしめ合ってた』って噂だよ？」



何も言っていないうちに、あることないことが広まっているのだから、噂って恐ろしいとつくづく思う。

……整った顔だとは思ったけど、やっぱり他の人から見てもそう見えるんだ。でもさすがに、そこまで盛った噂が流れるのは少し困る。