今日も、明日も、明後日も



……本当に、不思議な人。



彼はへらへらとしたそぶりで、心の中の大事なところに触れる。

それは決して無神経な訳ではなく、掬うように、撫でるように、優しく包んでくれる人。



その日二人で食べた苺は、これまでにないくらい大ハズレのすっぱい苺で、『意地悪なことを言うから罰が当たった』、なんて言いながら変な顔で頬張った。

久しぶりに、家の中が笑い声と苺の匂いで溢れた。




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