タレ目男子と韓国女子


やっと着いた!!
もう足が痛い。
ヒールなんて、ヒールなんて.....
あ~マルの身長がほしい....

「ね、ねぇ愛花」
「ん?どしたぁ?」
「確か友達さんはタレ目なんだよねぇ?」
「そうだよぉ!!」
「あ、あれじゃない?」

マルが指差した先にはほっそりとした体に長い足。
ちょっとぶかぶかしたズボンに真っ白なTシャツを着ている。
誰かと電話中らしい....

「ねぇ、話しかけない?」
「違ったら恥ずかしいもん!!」
「大丈夫だって!!違っても別にいいじゃん!!」
「でもぉ...」
「じゃぁ待ってて!!」
「・・・」

そう言ってマルひとり残してその人の近くに駆け寄った。
すると、突然

「かなちゃん?」

腕をつかまれて話しかけられた。

「加奈ちゃんだよねぇ??」

加奈とは、私が男と遊ぶときに名乗っている名前。

「違います。」
「いや絶対加奈ちゃんだよぉ!!」
「だから違うって言ってんでしょ!!」
「何言ってんの??加奈ちゃんでしょ!!今から遊ばない?」
「はぁ?あんたとなんか遊びたくない!!」

腕を一生懸命振り払ってたら、だんだん腕の力が強くなる。
何こいつ?キモいんだけど....

「ねぇ、どうせまだ男遊びしてんでしょ?ならいいじゃん、ねぇ?」
「キモイ!!」

ホント何?!ってか周りがこっちを見てる...
見てるくせに助けないなんて、なんて最低な野次馬だよ。
すると、ふっと目があったのはタレ目のアイツ!!
仕方ない!!
助けてと言う目で見ていたらそっぽを向いた!!
サイテー!!
ホント、サイテー!!

「おぃ!!何してんの?嫌がってんだから話してあげなよ!!」
「はぁ誰だよテメエ?」

ホント誰??
コンな野次馬の中にもいい人がいたんだっ!!
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