Meaning of Kiss



お詫びのつもりか、ぎゅっとあたしを抱きしめてから廊下を走っていった。


「…はぁ」


予定をキャンセルされるのは、もう何度目だろう。

告られて、何となく付き合ってみたけど、
恋人ってこんなものなのかな。


「りーいーちゃん?またキャンセルされたのー?」


背後から聞こえる、能天気な声。


「…っ」


ばっと振り返り、棒付きの飴を舐めている背の高い男を見上げた。


「あんたに関係無いでしょ!」

「ほんっと、俺の前だと強気だねー」

「あんたが嫌いだからよ!」

「彼氏にもそんくらいの勢いで「ふざけんなー!」って言えば?」



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