キミのとなり


帰り道。

「ホッシー!一緒に帰らへん??」


帰るわけねぇだろ。
エミは俺と帰るんだから。

「私、ヒロと帰るから」


ほーらな


「そんなこと言わんといてーや。俺、転校したばかりで、この町の道わからへんねん。」


こいつ、絶対嘘だ。
エミと帰りたいだけだろーが。


「なに企んでるかわからない人と帰らないし。行こ、ヒロ」


ナイス、エミ。


「ケチやなぁ。しゃーない」

おっ、あきらめたか?

「勝手についてくで」


え?えぇー!?
佐倉遠馬、くどすぎる!


「なっ!近堂っええやろ?同じ男バスとして」


そーゆー問題じゃねぇだろ!!


「ヒロ、ほっとこ」

エミがそう言って、俺の手首を引っ張る。


その後ろに、佐倉遠馬がついてくる。


俺の心のbadノートには、佐倉遠馬の名前がかざられた。


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