キミのとなり


少しの間、佐倉遠馬と俺の間に沈黙が続いた。


その沈黙を破ったのは佐倉遠馬だった。

「なぁ、近堂。近堂ってホッシーのこと好きなん?」

突然の質問だった。
俺は動揺を隠せず、あっさり佐倉遠馬にばれてしまった。

「へ〜。好きなんや〜。どーゆー関係なん?」

「……お前には関係ねぇ」

佐倉遠馬はニヤッとわらって「だよな〜。俺には関係あらへん。けど、これだけは言っとくで。絶対エミは俺を好きになる」

「は?」


佐倉遠馬の言ってる意味がわからない。

エミが佐倉遠馬を好きになる?

あるわけがねぇ。


「近堂には先に言っときたかったんよ。俺とエミが付き合って恨まれても困るからな」


なにいってんのこいつ。


佐倉遠馬とエミが付き合うわけがない。


「あっ、ここまででいいで。俺、本当は道知ってるし」

そう言って佐倉遠馬は歩き出した。


俺は歯を食いしばって、大声で叫んだ。


「エミはお前なんかを好きになるわけがねぇーー!!!」

佐倉遠馬は振り向かず、俺に向かって手を振っていただけだった。


ぜってぇ、まけねぇ!!
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