†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†





じめじめした空気が鬱陶しい、6月。



しとしとと降る雨。どんよりとした曇天
の中、俺の心も、そんな空と同じように
モヤモヤとしていた。



原因は委員長、と、その幼なじみ。



「希美。帰ったら今日、希美ん家行くか
ら」

「ん?うん、わかった!」



目の前で繰り広げられる会話。



ここだけ聞いてたら、なんか委員長と市
原がカップルみたいじゃんか。



ていうか委員長、隣に俺が居ること、絶
対忘れてるよね?



それから、委員長は市原と二言、三言交
わした後、俺を見上げた。



「ごめんね待たせちゃって。帰ろっか」

「……」

「香坂?」



何も言わない俺を不思議がって、そう俺
の顔を下から覗き込んできた委員長。





< 158 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop